Works 08 — 水害対策への備え まちを守る堰を、
まちを守る堰を、
水から守る。
筑後大堰 電気設備棟 新築
水害は「まれな災害」ではなくなりました。想定を超える雨による河川氾濫、内水氾濫への対策を講じることが増えています。

はじめに — 浸水深3mの敷地
筑後川の下流に架かる筑後大堰は、流域の水を配り、洪水を防ぐ、この地域で最も重要なインフラのひとつです。そのゲートを動かす電気設備を納める、電気設備棟の計画となります。
敷地はハザードマップで最大約3.0mの浸水が想定される場所にあります。洪水のとき、堰はむしろ働かなければなりません。発電機や電気設備が水に浸かって堰が動かせなくなれば、それは洪水被害に直結します。水害時にも止まらない建物であることが、この計画の出発点でした。
上へ逃がす
建物は、既存建物との連携がとれるよう鉄筋コンクリート造の3階建てで構想されました。1階は壁で囲わないピロティの駐車場とし、浸水しては困るものを上階へ上げました。2階に予備発電機室と電気室、3階に事務室という階構成です。
防災対策として、浸水想定より下の1・2階には窓を極力設けず、浸水リスクの低い3階には筑後川を広く見渡せるよう配慮しています。
水を止める
それでも開けなければならない開口部は、止水板・防水ドア・電動止水シャッター・耐圧ガラスといった選択肢を、水密性・耐水圧・漂流物への強さで一つずつ比較して決めました。漂流物の衝突は浸水3mのとき、2.2tの乗用車が時速3kmでぶつかる力に置き換えて評価しています。
たどり着いたのは、発電機の2階への移設、コントロールルームからの上流側警戒体制の強化と、電動止水シャッターの併用に防水扉を組み合わせ、内側のサッシにも水密性能を持たせる二重の構えでした。漂流物に対しても強く、インフラ保護の中枢として万全の計画としています。
業務概要
| 名称 | 筑後大堰電気設備棟 新築 |
|---|---|
| 所在地 | 福岡県久留米市安武町 |
| 構造・規模 | 鉄筋コンクリート造 3階建て・延べ約1,200㎡(計画) |
| 表彰 | 筑後川下流総合管理所 優良業務受注者表彰(令和8年度) |